ドンクサック合唱団第2回自前音楽会

1994年2月26日(土) 東京都勤労福祉会館ホール

第2回自前音楽会のパンフレット
曲目 指揮者 ピアノ伴奏
Also sprach DonKusak
~DonKusak合唱団のテーマ~
田中宏 渡辺治子
オレーグ公の歌
ロシア民謡
作詞:三沢郷
編曲:福永陽一郎
永島健一  
天のベンチ
「五つのラメント」より
作詞:草野心平
作曲:広瀬量平
高橋弘行
Old Tom Wilson
Kentucky Mountain Song
編曲:M.Barholomew
宍戸誠
Sehnsucht
作詞:J.W.Goethe
作曲:F.Schubert
築島繁
男声合唱のための「アイヌのウポポ」
採譜:近藤鏡二郎
作曲:清水脩
永島健一
大技・小技コーナー
独唱:小野和彦 ピアノ:渡辺治子
独唱:小貫岩夫 ピアノ:西川秀人
佐土原陽二・鈴木史雄・田中宏・津久井竜一・高橋弘行の5名による
「Why do fools fallin' Love?ズ」
独唱:谷口伸 ピアノ:西川秀人
錦織功政(にしこりのりまさ)によるけん玉「すくいけん」
Liebeslieder「愛の歌」 作詞:G.F.Daumer, J.W.Goethe 作曲:J.Brahms 編曲:福永陽一郎 指揮:田中宏 ピアノ:西川秀人・渡辺治子
Finlandia Hymni 田中宏

曲目紹介
オレーグ公の歌
ロシア民謡の中でも古くから多くの合唱団の愛唱歌として親しまれてきました。勇壮なロシアの強者が、大地に轟けとばかりに雄叫びます。
天のベンチ
『木立の下、月光にさえる「あなた」の横顔、しかしそこは公園などではなく天上なのだ。そして「あなた」の頬はいつの間にか北溟の地ツンドラの光景となってゆく。やがてその遠い涯から、かすかに悲しみの楽音が聞こえる。』草野心平の詩であるこの「天のベンチ」は、その詩の持つ内容の雄渾さ、詩の内包する世界のあまりの大きさに作曲者広瀬量平が作曲を躊躇したほどである。
Old Tom Wilson
アメリカ・オリジナルの音楽には、シーシャンティーや黒人霊歌など合唱化されているものも多い。これらの多くは日本の合唱団にもなじみ深いものとなっている。ケンタッキーのマウンテンソングであるこの「Old Tom Wilson」もそんな曲の一つである。軽快なリズムに乗せて陽気な山男達は盃を酌み交わす。
Sehnsucht
シューベルトは歌曲の王として有名ですが、彼はウィーンの宮廷合唱団の出身であり、合唱作曲家でもあるのです。彼は所属していたサークルのためにたくさんの作品を残しました。「Sehnsucht(憧れ)」はその作品群の中でももっとも美しいものの一つです。
男声合唱のための「アイヌのウポポ」
近年の日本人のルーツを探る研究において、もっとも注目されているのが「縄文人」である。素朴ながらも力強く優れた芸術感覚を持ち、神=自然と共に生きた縄文人。アイヌは琉球と並び、その縄文人の血を色濃く受け継いでいる。そこには現代文明人の生活では失われてしまった原人間の生活が根強く残っている。「アイヌのウポポ(=うた)」もその特徴を強く表すものである。
Liebeslieder 「愛の歌」
今回取り上げたのは福永陽一郎氏による編曲版全12曲で、「愛の歌」(作品52)より1、2、3、14、15、16、8、6、9、11、12、「新・愛の歌」(作品65)より終曲の順に配列されています。テキストはゲーテによる終曲を除き、G.F.ダウマーの「Polydora」という詩集(ロシア・ハンガリー・ポーランドの詩からの翻訳や模索が主)から採られています。
「愛の歌」は、ブラームスのもっともポピューラーなパート・ソングでありましょう。もともとは混声4重唱と4手のピアノのために書かれた曲ですが、出版に際して声部に「ad libitum」(自由に・随意に)と付されたこともあり、混声合唱や、4手のピアノのみで演奏されることも多いのです。独唱4人による演奏は軽快さや透明感に優れ、ピアノのみでの演奏は舞曲としての性格が際だちます。今回のように、多人数で、しかも男声だけで演奏することの正当性については諸論ありますが、優れた編曲によって、この曲の素材としての力・ふところの深さをお伝えできると確信しています。ブラームス先生が「ad libitum」といってくれていることにも、意を強くしております(^.^)。
「愛の歌」の全18曲、「新・愛の歌」の15曲中14曲までがワルツで書かれており、ウィーンがブラームスに与えた影響の一端を見ることができます。しかし、そこにも北ドイツの重厚さが共存しているのは、ハンブルグに生まれ育ち、ウィーンに移っても一生ふるさとを忘れることのなかったブラームスらしいといえるでしょう。
ブラームスは、1869年の夏をバーデン・バーデンで過ごし、「愛の歌」を書き上げました。出版者宛の手紙にこう書いています。「正直なところ、印刷された自分の作品を見て微笑んだのはこれが初めてです。」自分の作品に厳しかった彼にしては、珍しく満足したようですね。「この『愛の歌』が、いくらかの人々に喜びを与えられないなら、私はあえてロバと呼ばれても結構です。」とまで言っているくらいですから。

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